ポイントガード戦国時代
ステフィン・カリーがシーズンMVPを獲得して以降、
ポイントガードがより一層重要視されるようになってきました。
それは以前のようにチームの司令塔という役割のみならず、
スコアリングやリバウンド、更には3ポイントなど
幅広いスキルを求められています。
ポジションレス化が進んでいるという背景もありますが、
バックコートからボールを運ぶ役割を担い、
チーム内で一番ボールを保持する時間の長いポイントガードが、
ポジションレス化によってよりレベルアップしてきていると思うのは僕だけでしょうか?
現代NBAのおいて、多くのチームにスターガード、あるいはエリートレベルのガードが配置され、
そういったプレイヤーがいない、そして他ポジションにプレイメイカーがいないチームは
軒並み下位に沈んでいます。
若手の台頭
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/ドンチとジャ-1024x576.jpg)
そんな中で、NBAファンに一番注目されているのが
スーパースター候補の若手ガードたち。
優秀な若手が多くいますが、特に話題にあがるのがキャリア4年目以下のガード衆です。
具体的にはルカ・ドンチッチやジャ・モラント、ダリウス・ガーランドなど
オールスタープレイヤーまでのし上がっているプレイヤー。
特にジャ・モラントはオールスターのスターターに選出された上、
現在カンファレンス2位のチームを牽引しMVP候補になるなど
目覚ましい活躍を見せています。
その他にも、チームは下位に沈んでしまっていますが、
オクラホマシティ・サンダーのシャイ・ギルジャス・アレキサンダーも
平均24.5得点とオールスター級のスタッツを残しており、
プレイヤーのタレント力に加え、チームの戦術、育成方針が
より強いガードを作り上げる傾向にあることは
目に見えているかと思います。
大手メディアの調査
そして大手スポーツメディア「ESPN」のTim Bontempsは、
「NBAの若手ポイントガード調査:台頭する6人のフロアリーダーランキング」
という記事を投稿。
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/若手ガードランク 投票結果.png)
対象プレイヤー6名を、スカウトなど関係者15人にそれぞれランク付けしてもらい
集計した結果が上記です。
やはりインパクトや結果を残してきているプレイヤーが上位に来ています。
ドンチッチやモラントは新人王獲得から、若手のアイコン的存在でしたし、
トレイ・ヤングは昨年、初のプレイオフでカンファレンス・ファイナルまで勝ち進みました。
下位に沈んでいるとは言え、ガーランドやラメロ・ボールは言わずもがな、
オールスターに選出されたスタープレイヤーです。
そしてラメロ・ボールは、ドンチッチやモラントと同様に新人王を受賞しているガード。
同じ新人王ホルダーとして2人の足元まで来ているラメロですが、
更にステップアップをして肩を並べる事はできるのか、
同列になるためには何が必要なのか。
今回はラメロのプレースタイルやスゴさ、
今後の展望について語っていきたいと思います!
LaMelo Ball is your 2020-2021 #KiaROY ⭐️⁰⁰Future is looking bright for the Hornets PG pic.twitter.com/QCe9XbohNR
— NBA TV (@NBATV) June 16, 2021
ラメロ・ボール
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/ラメロ・ボール ドリブル-1024x760.jpg)
プロフィール
・身長:201cm
・体重:81kg
・ドラフト:1巡目3位(2018年)
・キャリア:2年目
・ポジション:ポイントガード
・サラリー:823万ドル(2021-22)
・キャリア平均スタッツ
プレースタイル
一言でいうと、ジェイソン・キッドにスコアリング能力を加えたようなプレースタイル。
(さすがにプレイメイクの面でキッドにはまだ及びませんが)
キッドと比較した理由は2点あり、
一つは高いバスケットボールIQ。
自らのシュートセレクションも、チームメイトのプレイセレクトも
常に効率の高いものを選択する傾向にあります。
例えば、最も効率の悪いとされるロングミドルシュートはほとんど打たず(全体の1割以下)、
ゴール周辺のレイアップやフローター、あるいは3ポイントシュートのセレクトが8割程と、
現代バスケで最も効率の良いとされるシュートをしっかりと狙い、
コンプリートする技術も持っています。
LAMELO BALL KNOCKS DOWN THE CLUTCH FLOATER TO PUT THE @hornets UP 3! pic.twitter.com/dlc1Q9reII
— NBA (@NBA) March 22, 2022
そしてキッドと比較した理由の2つ目が、オールラウンドな能力。
ラメロはキッドレベルのトリプルダブル製造機になり得るポテンシャルがあります。
2021-22シーズンは
平均19.6点、6.8リバウンド、7.4アシスト、
トリプルダブルは65試合で5つ記録するなどマルチな活躍をみせており、
更にルーキーシーズンにはわずか10試合目でトリプルダブルを達成し、
史上最年少記録を樹立するなど、その非凡さはファンを驚愕させました。
ラメロ・ボール、NBA史上最年少の19歳140日でトリプルダブル達成!
— CARTER_AF1 (@carter_AF1) January 10, 2021
22得点 12リバウンド 11アシストと素晴らしいパフォーマンス。
シュート難を指摘されもしましたが、マイケル・ジョーダンが見込んだ潜在能力を早くも発揮し始めています。
彼、やはり本物だ。@NBATVpic.twitter.com/bMBc055CfO
ラメロ・ボールが史上最年少19歳140日でトリプルダブルを達成
— yoyo (@yoyo0321153230) January 10, 2021
これがボール一族の最終兵器か… pic.twitter.com/QLQX4xOXNU
ラメロの魅力
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/ラメロ・ボール パス.jpg)
パススキル
NBA屈指のファンタジスタとも呼び声高いラメロのパスセンスは
現役でもトップクラスです。
🎥ラメロ・ボール(ホーネッツ)の針の穴に糸を通すかのようなアンダーハンドパス👀🐝🏀 @MELOD1P @hornets #NBA #NBAjp pic.twitter.com/uU4FEZget8
— NBA Japan (@NBAJPN) October 12, 2021
自らのシュートと思わせておいてディフェンスを引きつけ、
それにより一瞬空いたスキを突く正確なパス。
いつもの外へのパスを匂わし、しっかり魅せるラメロ・ボール🐝 pic.twitter.com/eFIQRuSlzP
— ジ・アンサー (@TheAnswer_3_AI) November 2, 2021
更にはファンタジスタに相応しい鮮やかなノールックパスなど、
パスセンスの塊のようなプレイヤーと言えるでしょう。
ラメロのドライブからのキックアウトがえぐい!!
— ロッカーズ@NBAファンライフ! (@rockers_nba) October 9, 2021
あんなにアンバランスな体勢から見事にシュートが打ちやすいピンポイントの場所にパスできるセンスは教えられる能力じゃないよね!!#ラメロ・ボール #ホーネッツ pic.twitter.com/S23E7V2e8c
そして自らの脅威を存分に発揮した、ドライブからのキックアウト。
ドンピシャの場所とタイミングのパスには惚れ惚れしてしまいますね!
スコアリング
スコアリングに関しては、もしかしたらパス以上に天才かもしれません。
NBAでは平均20点の大台突破目前といった状況ですが、
彼は15歳の時、伝説を作っています。
ラメロ・ボール君はちなみにまだ15歳です💧💧💧
— けい@NBA (@kei_nba_love) February 9, 2017
92点取った試合のハイライト!
シュートモーション早すぎw片足踏切でスリーポイント打ってるしw
pic.twitter.com/FafLiHRGAx
まさかの1試合92得点!
かなりのクイックリリースと高レベルのハンドリング能力で
いとも簡単に得点しています。
What can you say when the biggest knock on a prospect is his scoring potential and he starts 7-7 from the field within his first 3 NBA weeks?
— Chucking Darts NBA & Draft Podcast (@ChuckingDarts) January 10, 2021
Lamelo Ball is incredible.
pic.twitter.com/K3bCafE8FG
21-22シーズンの3ポイントシュート成功率は38%近くをマークしており、
15歳時と変わらぬクイックリリースと相まってブロック困難な武器。
Drive with the right! Finish with the left! @MELOD1P | @hornets | #AllFly pic.twitter.com/TQbGoRYyKH
— Bally Sports: Hornets (@HornetsOnBally) November 28, 2021
LaMelo getting fancy on the drive 🔥@SportsCenter | @MELOD1Ppic.twitter.com/M4Od4GYAyI
— Dime (@DimeUPROXX) March 12, 2021
そして外を警戒したディフェンスはドライブで抜き去り、
柔らかなタッチのフローターやレイアップで鮮やかにフィニッシュ。
線は細いですがディフェンスとのぶつかり合いに負けることも少なく、
その異常なフィニッシュ力はスター特有のものと言えるでしょう。
ディフェンス力
兄のロンゾ・ボールはディフェンスの名手ですが、
弟のラメロもまた優秀なディフェンダーです。
Not one, not two, but three amazing defensive plays by LaMelo Ball 🔥 pic.twitter.com/oqaxKfgua9
— ClutchPoints (@ClutchPointsApp) May 9, 2021
ガードとしてセーフティを徹底し、
201cmの身長で速攻からの得点を簡単には許しません。
I try not to overreact to preseason performances but this kid LaMelo Ball keeps making plays like this & I'm excited to see what kind of creativity he brings when the games start to count pic.twitter.com/Vq6tfh36lt
— Michael Lee (@MrMichaelLee) December 20, 2020
また今シーズン平均1.5本とハイアベレージを残しているスティール力は、
ホーネッツの得意とするファストブレイクを支えています。
DRtg(ディフェンシブレーティング)はリーグ下位に沈んでいるものの
相手のターンオーバー率がリーグ6位のホーネッツは、
ラメロを起点とするプレッシャーディフェンス→ファストブレイクを
黄金パターンとしています。
使い勝手
正直ラメロはどのチームに行っても、どんな起用法でも
一定以上の活躍が可能なプレイヤーだと思います。
ほぼ全てのスキルを高レベルで携え、
主役にも脇役にもなれるプレイヤーはめちゃくちゃ貴重です。
スコッティ・ピッペンみたいなもんです(言い過ぎか)。
Charlotte Hornets LaMelo Ball leads his team to win over the Milwaukee Bucks at home. Final 103-99 #CHAvsMIL
— Travis Jacque' Rose (@RoseSportsPod) January 11, 2022
Scoring 16 of his 23 points in the fourth quarter. While Rozier chimed in with 27 points.
pic.twitter.com/R6LHht922x
ただ彼の一番得意とするところは、現在のホーネッツのように
ガンガン走る、ハイペースなゲーム展開。
兄のロンゾもシュート力が大幅に改善したことで
使い勝手の良いユーティリティプレイヤーとなっていますが、
ラメロはそれに加えて華があるので、
アリーナ動員という面から見ても、今後も引く手数多でしょう。
欠点(というか伸びしろ)
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/ラメロ 立ち.jpg)
肉体改造
デビュー2~3年はどうしても仕方ないことですが、
まだ体がひょろいです。
現在プロフィール上では201cm、81kgとなっていますが、
同じ201cmのドンチッチは104kgあり、その差は20kg以上。
ドンチッチと同じくラメロも、NBA入りの前にリトアニアやオーストラリアの
プロリーグで活躍していたのですが、
2人の差はここでついてしまっているかもしれません。
(とは言えその分スピードはラメロが勝っていますが)
ドンチッチ程でなくても、体重90kg台まで持っていくことができれば、
ドンチッチやキッドのようにポストプレイという武器を
増やすことが出来るかなと思います。
力強いポストプレーのあと、守っていたテレンス・マンに
— CARTER_AF1 (@carter_AF1) November 24, 2021
「小さいなあ」
的なことを言い、テクニカルファールとなったドンチッチ。
この気の強さも彼の特徴ですね、うん😏@BleacherReportpic.twitter.com/FQ2hyFhkoJ
2vs2ディフェンス
敢えてもう一つ挙げるとするならば、
ピック&ロールなどのスクリーンプレイに対するディフェンスです。
自身のマークがボールマンだった場合、
スイッチした際に相手スクリーナーのダイブに僅かに反応が遅れ、
アシストパスを許してしまうシーンをたまに見かけます。
要因の一つとしては、ラメロはスティールを狙いすぎる傾向があり、
それによりスクリーナーへの対応が疎かになりがちという点でしょうか。
ただ、これは線の細さにも起因する問題だと思いますし、
いずれ改善していく点だと思われます。
ラメロの将来
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/ラメロ 表紙-819x1024.jpg)
将来的な彼のプレイヤー像としては、何度か言っておりますが
スキルをスコアリングに振ったジェイソン・キッドのようになるのかなと。
もしくは若い頃のショーン・リビングストンに3ポイントのスキルを与えた感じ。
ただラメロは、キッド以上に身長が高く、
リビングストン以上のコートビジョンの広さを持つプレイメイカーであるため、
あまり前例のないタイプのプレイヤーになっていきそうだという気持ちが
個人的にはかなり強いですね。
Lamelo Ball is a Pure Playmaker pic.twitter.com/KLFoAmE12L
— israel (@iohandles) August 11, 2021
オールスター常連間違いなし
![](https://nba-shiritaikoto.com/wp-content/uploads/2022/03/ラメロ・ボール Allstar.jpg)
本日はラメロの魅力についての回でしたが、如何でしたでしょうか?
タイトルの新人王に値するかどうか、ですが、
間違いなく新人王に見合ったプレイヤーだし、
今後オールスター常連プレイヤーになっていけるだけの器だと思います!
プレイヤーを見る目のなかったマイケル・ジョーダンがようやく汚名返上・・・w
というわけで本日は以上です!
気になることやまとめてほしいことなどありましたら
リクエストも受け付けますので是非コメント下さい!
ラメロのベストプレイ集でお別れです!お疲れさまでした!
kenzo(@nbashiritai)
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