9連勝後・・・
ウォリアーズは今シーズン、王朝復活を予感させる最高の滑り出しを見せました。
最初の20試合で2回の7連勝を含む18勝、
大エースのステフィン・カリーは平均28.6点、3P%42.3%をマークし、
2015-16シーズンに歴代最高勝率73勝9敗を打ち立てたウォリアーズの再来
だとNBAファンたちは打ち震えました。
その後さすがにその勢いは失速しますが、1月まで連敗は1度だけと安定した強さを誇り
更に1月下旬から2月上旬にかけては9連勝を達成しています。
しかし、その9連勝後の5試合ではわずか1勝。
オールスターブレイクを42勝17敗という成績で迎えることとなりました。
グリーンの不在とクレイの復帰
失速の原因
オールスターブレイクにかけてのウォリアーズの失速の原因は何か?
数字の部分から見ていくと、主に2点が要因でした。
1.失点の多さ
今シーズンのウォリアーズは組織的なディフェンス力で勝利を重ねてきたチームであり、シーズン全体で見るとDRtgはリーグトップの104.6。
しかし直近5試合に絞ると、DRtgは118.0でリーグワースト5位。
ディフェンスの崩壊により、相手チームのオフェンスを全く止められていないことが分かります。
2.アシストの減少によるオフェンス力の低下
ウォリアーズはディフェンス同様オフェンスもチームのフォーメーションに則って展開し、
素早いパス回しによって効率的なシュートを作り上げるチームです。
チームの平均アシスト数は27.2本で、リーグではあのサンアントニオ・スパーズに次ぐ第2位です。
ただ、直近5試合での平均アシスト数は23.4本でリーグ25位。
ORtgもシーズン全体では13位なのに、直近5試合では同じくリーグ25位と
オフェンスでも下位に沈んでしまっています。
根本にある問題
これらの原因の根本にあるのは、恐らくドレイモンド・グリーンの離脱とクレイ・トンプソンの復帰にあるのではないかと考えます。
まず前述の問題2点はドレイモンドが担っていた部分です。
インサイドプレイヤーでありながら天才的なプレイメイク力を持つドレイモンドは
チームの司令塔としてパスを供給する一方で、
ディフェンスでも全てのポジションを高レベルで守れるストッパーでありアンカーとして
チームを支えていました。
そんなプレイヤーが離脱したとなれば、オフェンス、ディフェンス両面で苦戦したとしても
自然なことのように思えます。
そしてクレイの復帰について、
もちろんリーグトップのシューターとして戻ってきたことは喜ばしいことですが、
復帰まではジョーダン・プールがスターター起用され、MIP候補と言われるほどの大活躍で
チームの躍進を支えてきていました。
そんな中でクレイがスターターになり、プールがベンチスタートとなれば
チームとしても多少戸惑いが出てくることは必至。
しかもチームの心臓であるドレイモンドがいない状態です。
そのためプレイヤーたちのアジャストには通常よりも労力がかかってくるはずで、
クレイ復帰のイケイケムードが落ち着いたこのオールスターブレイク前に、
アジャストに伴う疲労が敗戦という形で現れてしまったように思います。
ウォリアーズ復活のカギ
それならば、今の嫌なムードを払拭してくれるのは誰なのか?
再浮上にあたってのキープレイヤーたちを考察していきます!
キープレイヤー
ジョナサン・クミンガ
・キャリア:1年目(ルーキー)
・得点:8.0点
・リバウンド:2.8本
・アシスト:0.7本
・FG%:51.1%
・3P%:32.2%
まずは今オフにウォリアーズが全体7位でドラフト指名したルーキー、ジョナサン・クミンガです!
今後の伸びしろに期待して、数年後のチームの核になってもらうために
素材型として指名されたクミンガ。
ウォリアーズとしては、今シーズンはNBAの水に慣れさせて成長の下地を作ることを優先させていたのでしょう。
シーズン前半の平均出場時間は10分程、平均得点も4.9点と活躍の機会は少ないものでした。
しかし、12/18に主力が軒並み欠場した試合でスタメンに抜擢されると、
チームトップの26点をFG60%の確率でマークする活躍を見せます!
そうして自信をつけたクミンガはオールスターブレイク前の19試合で
平均21.5分の出場で12.4得点、8試合連続で2桁得点をマークするなど
その才能を遺憾なく発揮するようになります!
Jonathan Kuminga is 19 years old pic.twitter.com/Xz8GaHZuCB
— Warriors on NBCS (@NBCSWarriors) February 15, 2022
そんなクミンガの特徴はモンスターすぎる身体能力とフィニッシュ力です!
Jonathan Kuminga defying gravity once again 👀pic.twitter.com/FxaGkYJYFN
— ClutchPoints (@ClutchPointsApp) February 13, 2022
そしてまだ19歳ながら、かつてリーグ最強のセンターと言われたデマーカス・カズンズに対して
この恐れ知らずのアタック!まるでウエストブルックのようなフィニッシュですw
Jonathan Kuminga is smooth with the twirl and lefty finish 💯pic.twitter.com/NU0PVfMhHe
— Warriors Nation (@WarriorNationCP) February 17, 2022
更に、彼の能力が最大に発揮されるのがトランジション時です。
自身のターンオーバーを超絶ブロックによって帳消しにした後、
そのまま全速力でオフェンス参加してレイアップ。
桜木花道の如き脚力。
Bad turnover to open the sequence, but this is the type of end to end impact Jonathan Kuminga has when he runs the floor. Chasedown contest, fastbreak layup. Kuminga has 16 points, five rebounds at half. pic.twitter.com/ClVmp59AzN
— Anthony Slater (@anthonyVslater) February 13, 2022
正直クミンガがこんなにも早く戦力になるとは思わなかったであろうウォリアーズ。
今後はクミンガ中心のフォーメーションも増えてくるでしょうし、
彼の成長と共にチーム力が更に向上してくることでしょう!
クレイ・トンプソン
・キャリア:9年目
・得点:17.1点
・リバウンド:3.8本
・アシスト:3.1本
・FG%:41.8%
・3P%:37.4%
2人目のキープレイヤーは
2シーズンの全休を経てカムバックしたスプラッシュブラザーズの片割れ、クレイ・トンプソンです!
1Qだけで37得点、たった29分で60得点など数々の伝説を残してきたクレイですが、
今シーズンも2年間もブランクがあったとは思えないパフォーマンスを見せています!
3P%こそキャリア初の40%以下となっているものの37%と決して低くなく、
復帰後は1試合を除き全て2桁得点をマークするなど、
既にチームを引っ張っているクレイ。
According to PBPStats, Nearly 40% of Klay Thompson’s buckets this year are self-created and he has an eFG% of 52.3 on those shots (4.7 points above league average). pic.twitter.com/Px3oKUPJ7Z
— Jackson Frank (@jackfrank_jjf) February 10, 2022
先日のレイカーズ戦ではシーズンハイの33得点を記録し、勝利に貢献しています!
KLAY THOMPSON in the win vs the Lakers 🔥
— Ballislife.com (@Ballislife) February 13, 2022
33 Points (Season High)
16 Points in the 4th
12/22 Shooting
5/9 Threes
in 30 Minutes pic.twitter.com/PTGFu6zUI9
Klay Thompson plays basketball tonight pic.twitter.com/jMKYg8glcd
— DE🅿️RESSED WARRIORS FAN (@GoIdenState) February 14, 2022
シュート感覚は既に戻りつつあるクレイですが、ディフェンスに関してはまだ反応鈍めなクレイ。
ディフェンスの感覚を取り戻すにはもう少し時間がかかるにしても、
元々守備職人であるクレイの感覚が戻りさえすれば、チームのディフェンスにも好影響となるはずです!
Steals, swats, and keeping the defense on lock 🔒@KlayThompson‘s best defensive stops of the last year 👊 pic.twitter.com/o8xp9Baw6B
— Golden State Warriors (@warriors) September 2, 2019
離脱プレイヤーの復帰
そして現時点で欠けてしまっているピースとして、
離脱中のプレイヤーの影響についても考察していきます。
ジェームズ・ワイズマン
・キャリア:2年目
(1年目のスタッツ)
・得点:11.5点
・リバウンド:5.8本
・アシスト:0.7本
・FG%:51.9%
・3P%:31.6%
ジェームズ・ワイズマンは2020年のドラフトで全体2位指名を受けたビッグマン。
ドラフト時にはその長身とウイングスパンの長さから
ハッサン・ホワイトサイドのようなブロッカー、そしてダンカーとしての素質に加え、
スムーズなハンドリングスキルも持ち合わせる現代型のセンターだという
ポテンシャルを評価されてのドラ2指名でした。
NBAでのルーキーイヤーではスターターを務めることも多く、
インサイドで合わせのプレイや強烈なダンクを披露し、将来性を秘めた若手であることを
知らしめました。
Against that same frontcourt last year James Wiseman had 15 & 8 in 24 damn minutes. pic.twitter.com/Iioe67UlJv
— TJ (@TraMurr) February 11, 2022
またディフェンスではヤニス・アデトクンボを止めるなど
1on1ディフェンスは高レベル。
After watching Giannis run roughshod all over the Warriors defense tonight, I keep going back to this possession during a Christmas Day matchup in 2020 — also a blowout win by the Bucks.
— Joe Viray (@JoeVirayNBA) January 14, 2022
James Wiseman on Giannis below ⬇️⬇️⬇️ pic.twitter.com/uZDYcfE2If
ヘルプディフェンスなど改善点はまだまだ多いですが、
試合を経るにつれてエリートレベルのビッグマンになる可能性は十分にあるプレイヤーです!
昨シーズン後半から半月板損傷で離脱しており、
復帰時期はまだ未定とのことですが、チームの5対5練習までは参加しているとのことで、
近く復帰するのではないかとの噂です。
James Wiseman talked about being able to practice with the team again.
— Mark Haynes (@markhaynesnba) February 16, 2022
“I feel great. It’s a blessing just to go up and down the floor. I haven’t been able to do that for so long but, it’s a blessing just to be out there. So I’m really grateful for that.”
現在ディフェンスの出来るビッグマンがケボン・ルーニーしかおらず、インサイドを守りきれないウォリアーズにとって、ワイズマンの復帰は光明となり得るでしょう!
ドレイモンド・グリーン
・キャリア:10年目
・得点:7.9点
・リバウンド:7.6本
・アシスト:7.4本
・FG%:53.7%
・3P%:28.6%
人によってはチームで最も重要なプレイヤーであるという言われ方もするドレイモンド・グリーン。
何故か、というのは前述した通り
彼がいないとチームが機能不全を引き起こすからです。
得点以外の全てを司っているドレイモンドは文字通りチームの心臓であり、
彼が戻ることによって今ウォリアーズが抱えている問題のほぼ全てを解決することが出来る筈です!
Draymond Green Is A Top 3 Playmaker In The Leauge pic.twitter.com/j8FH157m5j
— ²³ (@PlayoffDraymond) July 3, 2020
また、ドレイモンドはフロアリーダー、メンターとしても優秀であり、
その姿勢が若手に好影響を与えてくれる存在でもあります!
Draymond Green being an active voice for the #DubNation defense
— Def Pen Hoops (@DefPenHoops) December 25, 2017
(via @clippittv) pic.twitter.com/SPv8mhvSTZ
背中を痛めて離脱しているドレイモンドの復帰時期はまだ未定ですが、
状態は良好とのことなので復帰は近いかもしれません。
アンドレ・イグダーラ
・キャリア:18年目
・得点:4.1点
・リバウンド:3.3本
・アシスト:3.8本
・FG%:39.2%
・3P%:23.0%
今シーズンからウォリアーズに復帰したかつてのファイナルMVP、アンドレ・イグダーラ。
もう既に38歳を迎える大ベテランであり、スタッツも正直寂しいものです。
しかし、彼の影響力は未だに衰えておりません。
今シーズンはわずか20分ほどの出場にも関わらず平均で約4アシストを記録しており、
チームのオフェンス活性化を促進する潤滑油として渋い活躍を見せています!
その活躍はオンコートの+/-がチームトップの+11.5である、ということが証明しています。
(カリーよりも上!)
リーダーであり、メンターであり、プレイメイカーであるイグダーラ。
チームを再び優勝へ導くラストピースであることを信じています!
Leader. Mentor. Playmaker.
— Golden State Warriors (@warriors) August 20, 2018
Hear why @andre is the glue of the Warriors. pic.twitter.com/RMWtdtPGZs
チーム力はリーグトップクラス
離脱者が戻ってくるのが先か、現ロスターで状況を打開するのが先か
どちらにしても、スティーブ・カーは何かしらの対策を講じる必要があるでしょう。
とはいえ、2010年代中盤から王朝を築き上げた際のコアメンバーはそのまま残っており、
その周りにも当時に引けを取らない程のプレイヤーが揃っている現状のウォリアーズのロスターは
リーグトップクラスだと思います。
イケイケのオールスター、アンドリュー・ウィギンズもいることですし。笑
ウォリアーズがこの逆境をどのように跳ね返していくのか、
今回ご紹介したキープレイヤーにも注目しながら、見届けていきましょう!
というわけで本日は今季のカリーのハイライトでお別れです!
kenzo(@nbashiritai)
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